mame3zok雑記

i'm just a drummer. i'm just a rider. i love dogs. i love the greatest japanese rock band SPITZ!

ホタル

9th album「ハヤブサ」track 10、21st single「ホタル」track 1(2000年)
 今朝の新聞にほたるが乱舞し始めたとの記事が写真とともに載っていた。もう今年も何時の間にかこんな季節になってしまっている。野生のほたるを自分の目で見たのはもう何年前の事だろうか。幼い頃は実家の傍の田圃や川辺にいくらでもいた。掌に包んで帰り、寝室に放して、ぼーっと闇に明滅するほのかな光を眺めながら床に就いた。エアコンのない夜が普通だった。
 テツヤの憂いを帯びたアルペジオに、マサムネのヴォーカルが独白のように重なる。愛しい人の笑顔が胸の砂地にしみ込んでいく。消えかけた幻を追って駆け出すが如く、田村と崎山がドライヴ感溢れる8ビート、そして16ビートを刻む。マサムネのハープソロも泣ける。蓋し、名曲。
 ホタルを聴くと、何故か高3の夏祭りの夜を思い出す。思いがけず浴衣で約束の場所に現れた彼女。金魚のうちわ、照れ笑うエクボ、そしてうなじの白さ。ファーストキスも果たせぬまま、駅前でかき氷を食べただけ。忘れたくない、鮮やかで短い幻。