mame3zok雑記

i'm just a drummer. i'm just a rider. i love dogs. i love the greatest japanese rock band SPITZ!

メモリーズ

22nd single「メモリーズ/放浪カモメはどこまでも」track 1(2000年)、album「色色衣」track 6(2004年)
 青く澄み亘る秋晴れの下、今朝も犬の散歩。陽射しに誘われて、路傍の花に蝶がひらひらと舞っていた。
 ぼくは「メモリーズ・カスタム」の方を先に聴いてしまっていて、「ハヤブサ」を通しで聴くときはいつも飛ばしていた。ヴォーカルにディストーションがかかっててメロディーらしい旋律もなく、スピッツらしからぬ粗暴な感じがして好きになれかった。「ホタル」の次は「俺の赤い星」だった。その後レンタル屋でこのシングル版が50円で売ってて思わず買った。聴いてみて驚いた。声が歪んでるのと歌詞は同じだけど、ピアノが入ってて、ポップな感じがしてはるかに聴き易い。でも「嵐が過ぎて〜」のとこがなくてちょっと物足りない。同じ曲だと思っていたのだ。
 よく見ると、「メモリーズ」が草野正宗作詞作曲で1999年にスピッツとクージーのアレンジで、アメリカで録音されセルフプロデュースなのに対し、「メモリーズ・カスタム」は2000年に日本で録音、ハヤブサのプロデューサー・石田小吉も作曲者・アレンジャー・シンセ・プログラマーとして名を連ねている。「嵐が過ぎて〜」の展開部はその際に加えられたのだ。全く別個の楽曲なんである。だからこそ「メモリーズ」は改めて「色色衣」に入れられたのだ。やっと気がついたぼくが阿呆だった。
 ハチミツで一気に登りつめ、インディゴ、フェイクファーとまあまあの結果を出しつつも、99epで迷い、花鳥風月で回り道をして、さあ次へ、という時のリサイクル騒動。荒々しさとポップな部分が交錯するのは、彼らの、一皮むける前のむず痒さや、むける時の痛みのようにも思える。ソラトビデオ3でも、1曲目2曲目が、テツヤ一人のコード弾きで始まり「1、2、チャララ〜ン」で終わる。画像上でも同じライヴシーンでつながっている。シングル版でも「放浪カモメ」はいわゆるB面扱いではない。「メモリーズ」での『肝心なときに役にも立たない』『嘘半分の』『安定できない開放できない』などの「不安」に対し、「放浪カモメ」で『足りないものはまだみつかんねー』『上昇し続けることはできなくても、またやり直せるさ』『恥ずかしい日々、腰に巻きつけて、風に逆らうのさ』というように、開き直って答えを出しているみたいだ。2曲で1セットのように感じる。