夜霧のような粉糠雨の中、何時もの様に犬と散歩に出た。犬は構わず毎夜と同じ道を辿る。歩きつつ時折こちらをちらりと見ては、へへと笑う。そして四足で地面をしっかり掴んで、確実に前へ進む。背中に嬉しいと大書してあるかの如くの後ろ姿で、主人である私を曳く。この時ばかりは主客顛倒を赦す。
何時の間にか全身がしっとりと濡れてしまっていた。
夜霧のような粉糠雨の中、何時もの様に犬と散歩に出た。犬は構わず毎夜と同じ道を辿る。歩きつつ時折こちらをちらりと見ては、へへと笑う。そして四足で地面をしっかり掴んで、確実に前へ進む。背中に嬉しいと大書してあるかの如くの後ろ姿で、主人である私を曳く。この時ばかりは主客顛倒を赦す。
何時の間にか全身がしっとりと濡れてしまっていた。