前世紀最後の蝉

処暑を迎えた途端、早朝よりバケツをひっくり返したかの如くの雨。お蔭で今日一日、随分過ごし易かった。ツクツクボウシの今季初鳴き聞いた。夕食後、嫁と共にいつものように犬二頭連れて散歩。草叢から微かに虫の音も聞こえる。もう季節は秋へと確実にシフトしているのを感じる。歩道に油蝉が幾つも転がっている。土中で７年も過ごし、やっと出て来られた晴れ舞台が猛暑で彼らは本当に幸せだったのだろう。前世紀生まれ最後の蝉たち。路上にて朽ち行き、土に帰る。こうしてまた、ひとつ終わり、ひとつ始まる。