mame3zok雑記

i'm just a drummer. i'm just a rider. i love dogs. i love the greatest japanese rock band SPITZ!

ep「99ep」track 2(1999), album「色色衣」track 4(2004), 「クジラが見る夢」池澤夏樹
 今日は気分転換に、と港の水族館へ行った。あくまでも自宅静養の一環としての外出。ってか、嫁に「シャチを見たい」とせがまれて、かな。中年夫婦の久しぶりデートみたいなものだったかもしれない。平日午前の水族館は、小学生のグループがいくつかと、年寄りの団体、幼稚園前の子供を連れた若い夫婦が数組だけで閑散としていた。ほんの数十cm隔てたガラスの向こうの青い空間に、イルカが音もなく通り過ぎてゆく。大きくて無駄のない滑らかな動き、小さいけど優しい目。知性を持った目。太古の昔に海から生まれた我々全ての生き物の中で、一旦は陸に上がりながらも、海に帰った仲間たち。陸に一度も上がろうとしなかった、知性を持たない目をした魚たちとは全く異なる、海の哺乳類たち。ベルーガやシャチのトレーニングも見た。ベルーガは物言いたげな口元と愛嬌のある目元が印象的だった。「魚になれない魚」とは彼らのことなのかなぁ、などと考えながら、いつの間にかぱとなと手をつないで歩いていた。
 99epの中では一番好きな曲。一見へんてこな題名とは裏腹の、美しいメロディーと、暖かくて恋しくて、ちょっと不思議な詩、それらを支える確かなバッキング。一度ライヴで聴いてみたい。
 イルカを見たんだから「ドルフィン・ラヴ」という選曲もあったかも。でも今日の気分はずーっとこっち。ついでに出した「クジラが見る夢」は、たまたま枕元に今置いてある好きな本で、この曲によく合うと思う。