mame3zok雑記

i'm just a drummer. i'm just a rider. i love dogs. i love the greatest japanese rock band SPITZ!

昨日は大学時代のゼミの恩師のご自宅に、当時のゼミ仲間たちと伺った。というか、ご招待を受けたというぐらいのおもてなしを頂いた。お宅訪問は大学時代に一度あって、その時からン十年経つ。先生はこの春に定年退官され、その時のゼミのパーティーにも出席したのだが、その事はこのブログからは欠落している。自分としては大きなイベントだったのだが、あまりに大き過ぎて書くのをためらったのだと思う。あれから、と言っても数ヶ月間だが、いろいろあった。
で、昨日、ゼミ仲間のMくんと単車を連ねての訪問であった。彼はそのゼミパーティーの後のお茶会で、どうも僕に触発されたらしく、大自二を取りZX-14Rを新車で買ったばかりであった。途中雨がばらついて、濡れて先生のお宅に到着した。
先生は名誉教授という名の講師をしながら悠々自適の生活を送ってらっしゃる。今でこそ穏やかな笑顔だが、自分が学生の頃は鬼教官であった。ゼミ仲間もみんな優秀で、そんな中、自分はいわゆる落ちこぼれだった。活発な議論に取り残されてばかりだった。話題に取り残されるのは、今も変わらない。確かにパーティーでは自分は劣等感に苛まれてた気がした。でも、その後いろいろ、いろいろ、いろいろあって、友だちにポジティヴに物を考えられるキッカケを与えてもらい、自分はわだかまりから解放された。というか、自分から「わだかまり」なんて、単に自縄自縛だったんだということに気がついた。そして、ラクになった。
先生のお宅で、奥様手作りの料理がどんどん出てくる。それらひとつひとつに舌鼓を打ちながら、仲間は昔のゼミみたいに活発にしゃべる。タクシーで来た人たちはワインも入って皆、饒舌である。まるでゼミの教室の如く、先生が鋭い指摘で論点を誘導しつつ、話がどんどん盛り上がる。それをシラフの自分は静かに聞いている。時折、口を挟みたくなっても、皆の口の方が速いから、自分は微笑んで聞き役に回っている。でも、劣等感で口を閉ざしていた頃とは全く違う、この場に受け容れられている、という安心感があった。
先生がお手ずから庭で炭火を熾して、ラムを焼いて下さった。至高の味わいであった。雨も上がり、ご自慢のガーデンに招かれ、清々しい緑の空気と柔らかな春の西日に寛げた。ちょっとしたお茶、珈琲からお茶菓子に至るまで細やかに気が利いていて、すっかり長居をしてしまった。博学であること、文化人として暮らすこと、教育者として人を育てる仕事を、真摯に、かつ自然になさっている先生のお姿に、改めてこの先生の教え子で自分は幸せだと感じた。